アンケート調査を通じて、
職場での学びを科学する

Megumi Ikeda
池田 めぐみ 助教

 皆様の豊富な実践知や職場での気づきは研究を進める上での大事な資源となるはずです。

 私の主な研究領域は、組織行動論です。組織行動論とは、組織の中で起こる様々な人間行動がなぜ起こるのかということを理解する学問です。例えば、〇〇な上司の元では、活力が湧いて日々モチベーション高く仕事ができるけれども、××な上司の元では、失敗に対する不安が強くなり、なかなか集中できないといった経験をしたことはないでしょうか?組織行動論では、このような事象(モチベーションやリーダーシップなど)について研究し、現象についての理解を深めるとともに、実践的示唆の提供を目指します。

 私自身は、特に、若手育成に関心があり、アンケート調査を用いた計量研究を行っています。最近では、「若いうちの苦労は買ってでもすべきか?」「充実感を感じながら働くためにはどうすれば良いか?」といった問いを探求しています。職場での苦労(ストレッサー)には、時間のプレッシャー、責任の重さ、役割の曖昧さ、社内政治などさまざまなものがありますが、このうちの一部はストレスを生む一方で、成長にも寄与すると言われています。どのような若手社員が、どの程度苦労をすることが、成長に効くのか?というのが、直近の私の研究テーマです。GSSMでの担当科目は、「組織行動論」と「キャリア開発論」です。これらの授業は「部下のモチベーションを高めるにはどうしたら良いか?」「どのような職業に就いたら良いのか?」といった内容を扱うもので、どちらも、受講生の皆さんに身近な内容です。そのため、授業では研究知見をお話しするだけでなく、グループワークなどを通じて受講生同士の価値観や実践知を共有することも大切にしています。受講生からは、「多様なキャリア背景を持つ職業人が集まり、それぞれの経験や視点からディスカッションできたことが非常に意義深かった」という声も寄せられています。社会人大学院では、教員からのレクチャーだけでなく、学生同士の対話を通じて新たな気づきや発見を得る機会が豊富にあります。授業を通じて、学びを深めるとともに、関心を共有できる同志を見つけていただければと思います。

 また、ゼミでは、修士論文の提出だけでなく、学術雑誌への論文投稿を目指した指導を行っています。学術論文は、実務に有益な内容を提供するだけでなく、学問の発展にも寄与する必要があるため、執筆には困難を伴います。研究をした経験がない方は、研究と実務の間にある思考方法や重要視するものの違いに戸惑うこともあるかもしれません。しかし、皆様の豊富な実践知や職場での気づきは研究を進める上での大事な資源となるはずです。2年間ストイックに学び、学術的なアウトプットを生み出したいという方は、ぜひ一緒に頑張りましょう。

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