※新組織改編前に作成した記事です

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大杉 絵理奈さん

  • 経営システム科学専攻

Q.ふだん、どんなお仕事をされていますか?
A. デジタルカメラのソフトウェア開発をしています。入社時はアプリケーション開発を担当していましたが、ここ数年はUI/UX開発を担当しています。
 お客様が製品を使った時にどのような体験をしたいか、どのような使い方が出来たら嬉しいかを日々考え、提案しています。
Q.いつから、どんな理由で社会人大学院に進もうと思ったのですか?
A. エンジニアとして何年間かお仕事していて、その中で仕事ではなくて「勉強がしたい」と思った時期があり、勉強するのであれば何か自分にプラスになるもので、かつ分かりやすいものが良いな、という思いで社会人大学院を考えました。
 最初から経営に絞っていたわけではなく、理系なので理工学部なども調べてみました。その中で筑波の社会人大学院では経営を学べてデータ分析も出来るということだったので、6月のオープンキャンパスに参加して受験を決めました。
Q.今のお仕事に生かすためにGSSMに入学されたのですか?
A. いいえ、私はどちらかというと今の仕事に関係することを勉強したいと思ったわけではなく、自分の長い人生を考えた時にこういう勉強したいな、という観点で決めました。今はエンジニアなのですが、エンジニアの経験とここで学んだ経営学やデータ分析を組み合わせて、将来おもしろい事や世の中に少し影響を与えるようなことが出来ればいいなと思っています。

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Q.授業ではどのようなことに苦労されましたか?
A. 私は元々理数系でしたので、文系の方に比べれば数学なども苦労はしなかったのですが、統計は勉強したことがない新しい分野でしたし、金融や会計の授業も初めてだったので馴染みがなくて難しかったです。でも、今回ここに入学しなければ勉強しなかった分野だと思うので楽しく勉強させて頂きました。
Q.社会人大学院での学びはご自身が大学で学んだときと違いますか?
A. 社会人は時間が無い中で時間やりくりして学んでいるので、授業中の集中力が学生時代とは全く違います。また長い自身のキャリアを考えた中で、こういうことをやりたい、というモチベーションを持って勉強していますし、学ぶ必要性を感じた上で取り組みますから身の入り方も違いますね。
Q.GSSMでは、どんな研究をしていましたか?
A. 「デジタルカメラに関するユーザー評価とメーカー提供意図の適合に関する研究」という研究をしました。ミラーレス一眼カメラを対象として、リリースノート(メーカー提供意図)とユーザー評価(価格.comのレビューコメント)をスクレイピングで集め、メーカー提供意図とユーザーコメントの内容の近さがユーザー評価(価格.comに投稿されたコメントから算出した感情値と、採点結果(5点満点))にどのような影響を与えるかの分析をしました。
 研究室は立本先生の研究室で、経営戦略の研究室です。今回の私の研究では経営戦略的な観点までは至りませんでしたが、もし今後研究することになったらそちらの観点でも研究をしたいです。
Q.先生との距離感はいかがですか?
A. 立本先生のゼミは、他のゼミに比べて自分で自由に進めていく自由度の高い研究室でした。でも、研究の方向について相談に行くとマンツーマンでご指導くださり、研究の可能性を広げてくれます。それによって自分が気付いていなかった違う方向性も見えてきますし、データの分析方法やデータの見方など新しい考え方に気付かされました。
Q.研究をどう実際のビジネスに役立てたいとお考えですか?
A. 定性的なものをデータという定量的な形で説明することの面白さと汎用性の広さを勉強したと思っています。業務でUX/UIに関わっていますが、感性的な部分もあるので、データを用いたUX/UI開発や提案が出来るようになりたいです。例えば、数年前に女子カメラブームがありました。その後、自撮りなど「女子」をターゲットにした機能がリリースされたり期間限定のキャンペーンで可愛いカバーがもらえたりと、「女子」をターゲットにしたい製品がいくつか出てきました。いくつかはターゲットに刺さっていたように見えましたが、全くターゲットに刺さっていないものもありました。ターゲットのインサイトを正しく理解し、そのニーズを機能という形に正しく落とし込むのは、非常に難しく、また、ターゲットの理解にも時間がかかります。今回、データを使って定量的に説明出来るようになれば、ターゲットユーザーに対して適切な製品や機能を提供する手段として有用になるのではないかと考えています。
Q.働きながら研究する上で、困難はありましたか?
A. とにかく時間がないので、私は出来る課題はその授業の中で出来るだけ終わらせていました。「予習」「復習」「その場で理解」のうち、「その場で理解」を重視した形です。また、GSSMの授業では大きな課題は第1回目の授業に、毎回の授業ごとに出る細かな課題は授業の最初に知ることが出来ることが多いので、この内容を課題にどう使おうかを考え、出来るなら授業と平行して手を動かしながら講義を受けていました。結果的に、ただ講義を受けるだけの場合よりも効率的に知識を取り入れられたと思います。

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Q.GSSMでよかったと思う点を教えてください。
A. 他の経営系の学科に比べて少し理系的な要素が強いというのも今の世の中に合っていると思いますし、私の思い描くキャリアにも合っていたと思っています。
 先生が3人ついて指導してくださるのですが、それはなかなか無いことだと思いますし、先生方は1対1の面談にもすごく時間を割いてくださいます。30分くらいのつもりで行くと、色んな見方・観点・可能性をお話してくださって2~3時間コースになる事もあります。それは本当に贅沢で貴重な時間をいただけたと思っています。
Q.どういう方にここで学ぶことを勧めたいですか?
A. 社会人経験が何年間かある人には全員お勧めしたいと思います。というのも、私は今回たまたま自分が興味を持てて、かつ仕事に生かせそうなスキルを身につけられたということもあるのですが、そういうスキルはそんなに必要ないと思っている方でも、社内にこもっていると自分の常識が固まってしまいがちです。それを打破する観点でも社会人経験がある方には社会人大学院であるGSSMでの学びをお勧めしたいです。
本日は、長時間ありがとうございました。

 

(2019年3月取材)
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